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RTS風カードゲームアプリ『クラッシュ・ロワイヤル』の感想とゲームデザイン

      2016/07/25

iOS/Android両対応のスマホ向けアプリである、RTS風のカードゲーム『クラッシュ・ロワイヤル』(通称クラロワ)をプレイしたところ、ゲームルール自体は非常に良くできていて、相手プレイヤーとの駆け引きが楽しめる対人ゲームです。まだリリースされたばかりということもあり、ゲームの良さを損ねてしまっている点も多数ありますが、今後に期待したいゲームだと感じたため紹介します。
前半で『クラッシュ・ロワイヤル』がどんなゲームなのか、またどうして面白いのかを紹介します。後半では、『クラッシュ・ロワイヤル』の良さを損ねてしまっている部分と、こうすれば良いのではないかな、という僕の個人的な意見を書いています。

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『クラッシュ・ロワイヤル』のゲームルールは非常に良くできている

『クラッシュ・ロワイヤル』は、RTSとカードゲームを混ぜたようなゲームです。他のプレイヤーと対戦することが中心のゲームで、試合は1v1で行われます。お互いのプレイヤーは3つの砦を持ち、3分という制限時間の内に相手の砦を多く壊したほうが勝ちになります。
まずは紹介動画を見てみて下さい。

各プレイヤーは、試合を始める前に、キャラクターや魔法などのカードを8種類だけ選び(重複不可)デッキを組んでおきます。試合が開始するとデッキから4枚のカードが手札に配られ、1枚手札を使うごとにデッキ内の次のカードが手札に加えられます。
それぞれのカードは使用するためにコストを必要とし、お互いのプレイヤーは、上限10の自動回復するコスト枠の中で、コストが枯渇して身動きが取れなくならないように気をつけながら、リアルタイムに手札の中から最適なカードを最適な場所に出すことで、相手よりも残コストが有利な状態を作り出し、一気に相手の砦を壊すことを狙います。コストが高く強いカードばかりでデッキを組むと、そのカードが相手に上手くやり過ごされてしまった場合にはしばらく身動きが取れなくなってしまう、というのが面白いですね。

紹介動画でもキャラクターが自動で相手の砦に向かっている姿が映っていますが、プレイヤーが行える操作は、キャラクターの召喚や魔法の発動をどのタイミングで、どの位置に行うか、という点だけです。
召喚したキャラクターは自動で一番近くにいる敵キャラクターや敵の砦に向かって攻撃をしかけにいきます。
ここで重要なのは、各キャラクター間には、相性があるという点です。
一回の攻撃で与えられるダメージが大きいキャラクターに対しては、体力は少なくてもユニット数の多いキャラクターで囲めばすぐに倒せます。逆に、体力は少なくてもユニット数の多いキャラクターに対しては、範囲攻撃の行えるキャラクターを出せば、一瞬で大群を消滅させることができます。
つまり、このゲームで行われるキャラクター同士の戦闘は、じゃんけんのようなものなのです。
まったく同じデッキを使って勝負したとしても、何も考えずにキャラクターを出すプレイヤーではなく、場に出ているキャラクターとの相性を考えて手札を切るプレイヤーが勝ちやすいのは明白です。

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このゲームでキャラクターを召喚できる場所には制限があります。それが上の画像です。
ゲーム開始時は、左の画像のように、川を挟んで自分の砦がある側にしかキャラクターを召喚することができません。薄く赤で塗られている部分は、自分がキャラクターを召喚できない範囲です。
しかし相手の砦を壊すことで、右の画像のように、キャラクターを召喚できる範囲が広がります。
このゲームでは、相手の砦を多く壊したほうが勝ちですが、真ん中にある城を壊した時点で勝利となるため、ひとつ砦を壊すことで、「相手の城をいつでも殴りにいけるんだぞ」というプレッシャーをかけることができます。
ひとつ目の砦を壊されたプレイヤーは、「絶対に真ん中の城は守らないといけない、だけど2つ目の砦を壊されたらそれはそれで不利になるし……」ということを考えながらプレイする必要に迫られます。
なので、どこを攻めてどこを守るか、あるいはどこも守らずに攻め続けるか、という取捨選択をリアルタイムに行う必要があるゲームです。

以上のように、ゲームルール自体は非常に戦略性があり、相手プレイヤーとの駆け引きも楽しめるものとなっています。

『クラッシュ・ロワイヤル』の惜しい点

対人ゲームで重要なのは、試合に参加したお互いのプレイヤーに、全力を出しきれたと感じてもらうことだと思っています。全力を出し切って、純粋にプレイングで競い合った結果であれば、勝敗に関わらず楽しいからです。

ここまでで紹介したように、ゲームルール自体は非常に良くできており、対人ゲームとしての期待が膨らみます。しかし、以下の3つの点によって、『クラッシュ・ロワイヤル』では「純粋にプレイングで競い合った」と感じにくくなっていたり、試合を楽しめるようになるまでの道のりを遠く感じてしまいます。そこが非常に惜しい点です。

その1:じゃんけんに最低限必要なカードすら手に入れるのに苦労する

このゲームにおけるキャラクター同士の戦闘はじゃんけんのようなものだ、と言いました。
しかし、このゲームを始めたばかりの頃は、パーを出された時にチョキに当たるカードを持っていない、ということが起こります。そのような試合になってしまうと一方的に砦を壊されることになります。
チョキに当たるカードを持っているのにデッキに組み込んでいなかった結果負けるのであれば、それは仕方のないことです。しかし、チョキに当たるカードを持っていないのにパーを出された結果負けるのは、意味が大きく異なります。
いきなりチョキに当たるカードを手に入れさせたくないのであれば、下位互換となる少しヘボいチョキくらいのカードは、ゲーム開始時にすぐ手に入れられるようにしても良かったのではないかと思います。

強いカードを持っている相手と当たった場合でも、「この手ならなんとかなるかな?」と試行錯誤するのは楽しいです。しかし、試行錯誤できるほどゲーム開始時に持っているカードの種類は豊富ではなく、前述のようにチョキに当たるカードも持っていない状態でゲームが始まるので、最低限のじゃんけんができるレベルになるまで、新しいカードを手に入れ続ける必要があります。

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このゲームで新しいカードを取得するためには、試合に勝利した際にもらえる宝箱を開ける必要がありますが、宝箱を開けるのには最低3時間かかることに加え、同時に複数の宝箱を開けることはできません。せっかく試合に勝利したところで、強くなれるのは3時間後なのです。ゲームを始めたばかりのプレイヤーが色々な戦略を試してみようとワクワクしているところに、3時間は新しいカードを与えないというのはちょっと酷ですね。良いカードが出ることが確定しているならまだしも、微妙なカードが出ることの方が多いので、試合を楽しめる最低限のカードが揃うまでの道のりは非常に遠く感じました。
ちなみにこの宝箱は、課金することで待ち時間なしで開くことができます。

24時間にひとつ配られるクラウン宝箱を開けることでもカードを取得することができますが、こちらは勝敗関係なしに砦を10回壊す必要があります。最低限必要なカードすら揃っていない状態で、自分よりも強いカードを持ったプレイヤー相手に砦を壊さないといけないというのは、はじめたばかりのプレイヤーの心を折ることにもなりそうです。

ちなみに、レートを400まで上げると参加できるアリーナ2のカードが揃えば最低限のじゃんけんはできる印象を受けました。
開発陣もビジネスでやっていることなので集金要素は必要ですが、じゃんけんに最低限必要なアリーナ2までのカードの入手難易度を下げるだけでも、このゲームを楽しめる人が大幅に増えるのではないかと感じました。

その2:アンフェアな状態で試合が開始される

このゲームでは、プレイヤーのランクが高いほど、砦の耐久度も高くなる仕様になっています。
また、同名カードを何枚も集めることで、そのカードのステータスをアップさせることができるので、同じカードを出したはずなのに相手のカードのほうがレベルが高くて負ける、ということが起こります。

弱いカードでもたくさん集めれば強くなって用途が出てくる、というのは救済策とも捉えられます。
しかし、プレイヤーのランクで砦の耐久度が上がるのはアンフェアでしかないので、このゲームが試合を純粋に楽しむゲームであるならば、即刻削除すべき仕様です。

試合の対戦相手は勝敗で増減するレートに応じて決まるので、レートの低いうちに高ランクのプレイヤーとマッチングした場合は、その高ランクのプレイヤーのプレイスキルは低いことが多いです。
なので、低レートのうちに高ランクのプレイヤーと当たっても勝てるといえば勝てるのですが、明らかにアンフェアな試合に放り込まれて納得できるかというとできないんですよね。
「相手のほうが圧倒的にアドバンテージを持っているんだから負けてもしょうがない」と感じてしまったプレイヤーは、試行錯誤することも忘れていきます。試行錯誤することが楽しいはずのゲームなのに、わざわざゲームの面白さを感じにくい仕様にしてしまっているのが、非常に惜しいです。

その3:砦を壊せなかった試合を無価値にするクラウン宝箱

実力差がほとんどなく、お互いにひとつの砦も壊せずに引き分けとなった試合。本来であれば「良い試合だった!」となるはずですが、砦を10回壊すことで開けることのできるクラウン宝箱の影響で、「ああ、ひとつも砦が壊せなかった。もう1戦しないと……」という気分になってしまいます
ポジティブな気持ちで次の試合を行いたくなる仕組みであれば大歓迎ですが、クラウン宝箱はゲームに張り付かせるための仕組みであり、良い勝負ができればそれだけで楽しいはずの対人ゲームの良さを損なっています。

クラウン宝箱を廃止して、普通の宝箱の中身を少し豪華にするだけで、「良い勝負ができればそれだけで楽しい!」と感じることができるようになると思います。

終わりに

『クラッシュ・ロワイヤル』は、ゲームルール自体は非常に良くできていて、相手プレイヤーとの駆け引きが楽しめる対人ゲームです。しかし、そこに課金を煽るためのシステムを組み込みすぎており、対人の面白さを感じにくくしていることは非常に残念です。
まだリリースされたばかりであり、システムの変更次第では神ゲーに化けるゲームだと思っているので、今後の方針転換に期待したいですね。

クラッシュ・ロワイヤル (Clash Royale)

クラッシュ・ロワイヤル (Clash Royale)
開発元:Supercell
無料
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